映画
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バットマンビギンズを観ました
どういうわけか「バットマンビギンズ」を今頃になってビデオを借りて見ました!
たまにしか映画を借りないのに、どうしてそういう選択になるかというと、自分でも不思議なのですが・・・・。
マスクものは比較的好きなので、楽しみにして見ましたが、渡辺謙の扱いが本当にひどかったです
特に謙さんのファンではありませんが、しかし、ひどい!
公開時に見たら、さぞかし腹が立ったことと思います。
そして、やっぱりバットマンも自分の衣装は自分で作ってましたね。
あのガタイの大きい青年が、ちまちまと、しかも嬉しげにバットマンの武器であるコウモリの形の手裏剣を作っているところなんて、なんだか涙ぐましいような姿です。
スパイダーマンの時も、自分でコスチュームをちくちく縫っていたので、アメリカ人って変なことするな~・・・と思ったものですが・・・。
日本のヒーローのように、超自然の力とか、もの凄い科学の力とかで、ベルトが勝手に回って変身するとか、実は宇宙人だとか、そういうことはないんですね・・・。
勝手に変身してしまうのなら、それはヒーローのせいではないと思うんですが、自分で作ったコスチュームを嬉しげに着るというヒーローの心理って、なんなんでしょう?
明確な目的意識のもとでヒーローになり、そういう自分にある種の自己愛があるように見えます。
アメリカ人って、どんな人でも大統領になることを夢見ている、と何かで読みましたが、そういう感覚なんでしょうか・・・。
しかし、ちくちく自分のコスチュームを縫っているところなぞを必ずエピソードに入れるあたり、アメリカ人はそれがカッコイイと思っているのかもしれませんね
不思議なことです~~。
ヒーローというものに対するスタンスの違いが、大変面白いと思います。
それから、バットマンは仮面を脱ぎ捨てると、毎回めちゃめちゃセレブという設定ですが、今回のお屋敷はことにスゴかったです
ラスト近く、屋敷が焼け落ちて、周囲の景色が映るのですが、驚くなかれ、どこまでも田園地帯で、いったいあの近代的な「ゴッサムシティ」はどこに
というか、一体どこに住んでいるんだ、バットマンという感じでした。
まったくもって、ミラクルな映画です
「バットマン」と一緒に観たのが、「ミート・ザ・ペアレンツ2」です。
若い男女が結婚しようとして彼女の側の両親に挨拶に行きますが、その父親が元CIAのロバート・デ・ニーロという設定で、花婿候補が舅に虐められるというコメディです。
1はそこそこかな~、という感じだったのですが、今回の2は面白かったので、オススメです
彼と彼女の両親が初顔合わせというお話ですが、彼の父親はもと弁護士で今は主夫のダスティン・ホフマン、母親はセックスセラピストのバーブラ・ストライザンドという濃い顔合わせです。
役者も揃っているし、それがお話によく生かされていて、途中まで観て寝るつもりだったのですが、とうとう最後まで観てしまいました。
未見の方は是非・・・!
しかし、小さいお子様とご覧になると、ちょっと苦笑いする場面もあるかも・・・。
スーパーマンリターンズ
どういうわけか、スーパーマンリターンズを借りて観てみました。
相変わらず、ロマンティック&センティメンタルなお話で、トーンもそれほど変わっておらず、前作からのファンの方も特に違和感なくご覧になれるでしょう。
いや、センティメンタル度は予想以上に上がっていると言えましょう。
敵役のレックス(ケビン・スペイシー)はさすがの存在感で、CGもしっかり楽しめました。お話の中に、「え~~?そんなのあり?!」みたいなオドロキもあって、なかなか楽しめるお話だったと思います。
しかし、家人は途中眠ってしまったこともあり、人間関係がわからず、話について行けなかった様子。前作が未見の方は、ご覧になって行かれたら、なおベストかと思います。
それにしても、今回のスーパーマン、睫毛が濃い!!
比較的色白の役者さんなので、妙になんだか繊細そう~なスーパーマンでしたが、お話の関係上、それもよかったかなと思います。
多分、これ、次回作も見込んでのお話作りになっているんでしょうね。
女性としては、ちょっとスーパーマンにひとこと言いたいという感想は持ちましたが、それも含めておおむね良かったのではないかと思います。
今回の監督さんの、前作への大いなる郷愁がよく出ていて、興味深かったです。
強くて健全だった頃のアメリカへの郷愁というか・・・。
それをストレートに出して支持されるあたり、そういった感情にもやはり深刻な部分があるのかな・・・とも感じました。
2017年8月18日
【ネタバレ注意】ナイロビの蜂
たまたま時間が空いたので、「ナイロビの蜂」のDVDを借りて観てみました。
以下はネタバレですので、これからご覧になる方と、観てよかったな~と感動していらっしゃる方は、決してご覧にならないようにお願いいたします。
この上の文章を見て、たぶんこれから初めて見る方がいなくなったと感じ感想を書かせていただきますが、かなり社会派の映画でした。
それはいいのですが、ドラマ度が社会派度に押しつぶされ、それが不全感につながってしまっていて、私としてはちょっとイマイチの映画でした。
社会派にするか、ドラマティックにするか、どっちかに絞ってほしかったですね。
この映画は「壮大な夫婦愛」とか宣伝されているようですが、制作側は社会派だけを描きたかったのね、と感じてしまう。そういう意味では、完成度はちょっと低いな~と感じます。
冒頭で殺されるヒロインは、社会派な女性で、それのみか主張が攻撃的すぎて周囲に顰蹙を買うほどのレベル。
穏やかな性格のレイフ・ファインズ演じるヒーローは彼女の情熱に惹かれて結婚した様子です。
ヒロインは、自らの社会派な性格のあまりに、アフリカを食いものにする企業の巨悪に首をつっこみすぎて殺されてしまうのですが、ヒーローは最初彼女の不倫を疑うのですね。
ところが調べていくうちに、不倫はなかったとわかり、彼女への愛が燃え上がり、自らをも滅ぼす道へと進んでいくのです・・・。
このヒーロー、最初は彼女の熱烈アプローチに押されて結婚する形だったのですが、彼女はヒーローの外交官という立場には全く構わず、社会派なヤバい質問をパーティーなどで企業のトップなどにぶちまけたりするので、周囲からは「彼女を閉じこめとけ」とまで言われる始末だったわけです。
ヒーローは、一度も疑わなかったんですかね・・・・このヒロインが自分と結婚したのは、自分の外交官という職業を利用して、社会派の活動をするためじゃなかったのかな・・とは?
不倫よりそっちの方をまず疑うべきじゃあ・・・?
アフリカの現状というこの映画の社会派な主張は置いといて、彼女の言動は単に「困った人」としか思えないほど極端です。
いくらなんでも、もうちょっと亭主の社会的立場を思いやってあげるべきでは・・・?
と思ってしまう分だけ、ヒロインへの同情が減るので、せっかくの社会派な主張よりも、彼女個人の未熟さのみが際だってしまって・・・。
その彼女に操を尽くすレイフもあんまり哀れという感じで・・・どうも感動までもっていけないジレンマがありました・・・。
ドラマを作るって、ほんとうに難しいんですね・・・。
このシチュエーションで、レイフ・ファインズ主役だった「イングリッシュ・ペイシェント」をどうしても思い出してしまうんですが、やっぱ、観ていて明らかに作る側は意識していると思います。
ああいう風に作りたかったもんだから、レイフを起用したんだね~・・・・。
だけど・・・。・・・・。
ヒロインの造詣がこれほど未熟じゃなかったら、悲劇としてもう少しこの二人に感情移入できたと思うのですが、もう、ドラマというより単に「ひとごと」って感じ・・・。
これでヒロインの役者はアカデミー賞も取っているのですが、それって、罪滅ぼし・・・?
それと、全く違う映画の話ですが昨日DVDで初めて「パイレーツオブカリビアン」を見ました。
どうしてジョニー・デップ扮する海賊があんなに人気があるのか、了解いたしました。
それに、あれってディズニーだったのですね~!初めて知りました。そして、了解しました。
2017年8月3日
ゴッドファーザー
本当に、ここのところ更新をさぼり気味でしたので、(というか、完全にさぼっておりましたので)これからは比較的どうでもいいようなことでも書こうかなと思っております。
とはいえ、「じゃあ、これまではどうでもいいことではなかったのか?」と言われると、ちょっと困りますけれども・・・。
結構沢山の方が見に来てくださっている様子ですので、少しはまともなことを書かなくては・・・と無意識に思ってしまったようなのです。
やはり何事も、構えるといけませんね・・・・。
反省いたしました・・・。
さて、NHKBSでは、時々思い出したようにゴッドファーザーを放送します。
ここ数日でⅠとⅡを放送しました。
観ようとしている映画って、大抵忘れてしまいますよね。先日も気がついたらⅠも後半戦・・・。
何度も観たのに、見始めるとぐいぐい見入ってしまいます。
本当に良くできた映画だと思います。
最初の結婚式の場面だけ、何度も見逃しているんですよね・・・!
また1年後くらいに放送するでしょうから、それを待つことにします・・・(なんか前もそう言っていたような・・・・)
Ⅱはなんとか間に合って録画できました。合間にちらちら観ただけですが、また時間のあるときじっくり観たいです。
基本的に私はアル・パチーノのファンですが、デニーロも大好き!
なので、ゴッドファーザーⅡはいい男三昧で、うっとりです・・・!
ゴッドファーザーの若い頃役のデニーロ、指が長くて、やけに繊細に見えるんでよね~。
彼がのし上がっていく過程とのコントラストが乙女心にぐっと来るというか・・・・!
Ⅲは、実はまだ怖くて観られないのです・・・。
もうこれで終わりと思うと、どうしてもダメ・・・。
Ⅱでもいい加減悲惨なのに、Ⅲなんて一体どうなっちゃうの?!・・・って感じです。
でも、録画予約しました・・・・。
このごろは、観たい映画って借りても良いし、映画チャンネルもあるし、殆どストレスなく観られますよね。
勿論、昔のマイナーな映画などは難しいですけれど・・・。
でも、それこそテレビからの音声の外部入力すら使えなかった頃、番組の主題歌を録音しようとしてテレビの前でテープレコーダーを置いて構えてたら、必ずその時間に外を通るお豆腐やさんの「ぱーぷー」というラッパの音も入っちゃった・・・みたいなことがなんだか懐かしいことがあります。
記憶の中でこそ美しいものがあって、観られなかった最終回とか、観られなかった映画の冒頭とか、そういうものが結構いいなあ~などと思ったりもしています。
なにか、欠けたものに哀惜を感じるんでしょうか・・・。
そういうわけで(というわけでもないけど)、Ⅲは観ません!!!
マリリン・モンロー最後の告白
それと、違う映画の話ですが、先日BSで、フランスの会社が製作した「マリリン・モンロー最後の告白」というドキュメンタリーを深夜前後編で放送していました。
家人がマリリンのファンなので、一緒に見ました。
マリリンの死直前まで彼女の告白を聞いていたラルフ・グリーンソンの証言を、マリリンの事件を担当した刑事が40年経って新聞社に持ってきた本人の告白と彼女のテープを元に構成されていました。
もちろん、いわゆるマリリンが他殺が自殺かなどということは憶測の域を出ていないのですが、終始色々なマリリンの映像が流されて、なかなか面白かったです。
マリリンが精神を病んでいたのは周知のことですが、病んでいなければマリリンという存在はなかったであろうなということは、この番組を見ていてもすごくよくわかり、でも、それは本当に皮肉なことですよね。
男性たちが火に飛び込む蛾のように、次から次へとマリリンに入れ込んでいくのも男の本能として無理はないとはいえ…。
マリリンを囲んでジャーナリスト達が夢中でシャッターを切っている映像が何度も流れるのですが、そのシャッターの切り方が無闇に凄い。
みんな、この一瞬しかないかのように噛みつかんばかりに必死でシャッターを切っているように見えました。
マリリンは、朝鮮戦争時にアイドルだったわけですが、ベトナム戦争時にはアン・マーグレットがやはりそういう位置にいたそうです。
うちの家人は、実はマリリンも好きですが、アンも大好き。
女性の目から見るとどっちもアイドルという点では同じやん。
でも、アンとマリリンは決定的に違うと家人は言います。
「どこが違うの」
と聞くと、アンは男性達のアイドルでいることは「商売である」と思っていると、彼女を見ればすぐにわかる。それはそれでよい。そういうもんだし。
しかし、マリリンは「商売ではない」顔をしているというんです!
男性達がマリリンを見ると、そのセックスアピールにうっとりして、ある強烈な気持ちを抱く。
そうすると、マリリンはそれをわかっていて「OKよ!」という顔をする。しかも、商売でなく。
「だから女神なんだ」
「女神ですか!!」
実際にマリリンとそういう仲になったとかならないとか、そういうことはあまり重要ではなく、そのアイコンタクトだけで、男性諸君はマリリンと関係ができたという満足を得られるのだそうです!!
なんだかよくわからん…。
女にはわからん世界なのかもしれない…。
朝鮮戦争の慰問の有名なシーンでは、1万6000人の兵士を前に、「OKよ!!」と言っているようなもんだそうで、それはやっぱり、ボランティアとしてもとてもムリ!!の領域ですよね~。
マリリン、すごすぎる…。
アン・マーグレットは、今でも俳優として芸能活動をしているし、HPもちゃんとあったり、自己管理もきちんとできている感じ。
でも、マリリンは自滅の道を突っ走るんですよね。
精神科医に夜昼構わず電話したり、彼がヨーロッパに逃げると、暗い部屋の中で色んな告白をテープに録音して、彼に渡したりしたそうで、40年後にその医者が新聞社に持ち込んだのはそのテープだったそうです。
番組では、そのテープがBGMのように流されていて、その声がまたチャーミングなんですよね。
その精神科医も、とうとうマリリンと男女の仲になってしまって、「彼女は私の子供であり、痛みであり、理性を失わせる存在だった」と告白しているのだそうです。
ああいう時代に、ああいう存在だったマリリンみたいな人は、二度と出てこないんでしょうね。
2017年8月2日
ジャック・スパローを観てしまいました…
どーゆーわけか、今公開中の「パイレーツ・オブ・カリビアン」の4を、観てしまいました!!
このごろの私の映画生活はかなり地味。
私の趣味に合わせられない家人に、私の方が合わせることが多いので、どんどん地味になってしまうんですよね。
なんかもう、白黒映画の名作の世界になっちゃって…。
普段の家人であれば、絶対に興味を示さないハズの「パイレーツ」、実は私も、これについては別にテレビでいいや…と思っているクチなんですが、どういうわけかキャプテン・ジャック・スパローのキャラにはまってしまった家人は、一挙放送の1,2,3を観て、とうとう4を映画館で観ようと主張しはじめたのです!びっくり!!
まあ、映画であれば、私は比較的何でもOKなので、喜んで映画館に観に行きました。
1~3は、かなりシュールな場面もてんこ盛りで、ありえないお話もどういうわけか納得させられてしまうゴーインな展開が楽しめましたが、4は比較的常識的なお話だったかな~。
でも、面白かったと思います。
続きもありそうな引きでしたので、ずーっとシリーズ化していくんでしょうね。
でも、ストーリーと映像のあり得なさ度がもうちょっと高くなっていかないと、(つまり、馬鹿馬鹿しさ度が増さないと)スパロー船長のキャラが生きないので、続けるのが難しくなっていくかもしれませんね…。
なんとか頑張ってほしいです。今度公開される「三銃士」や、「ハリーポッター」も観たいけど、これにはきっと家人は行きたがらないんだろうな~…。
2011年6月4日
映画「浮雲」
成瀬巳喜男監督、高峰秀子、森雅之主演の「浮雲」をBSで観ました。とにかく凄かった!!
これ以上ないくらいダメな男森雅之を好きになってしまった女高峰秀子が、二人してどんどん転落していくお話なのですが、そのダメっぷりが半端じゃない!!
家人は観ながら寝てしまっていましたが、私だけ目をぎんぎんにして最後まで観てしまいました。
見始めるとやめられない。
この駄目な二人がどこまでいってしまうのか、このヒーロー実に不愉快と思いながらも結局最後まで目が離せませんでした。
それに、やはり高峰秀子の演技が凄い。
目線だけで何考えてるのかわかるんですよね…。
流し目とか、睨んだり、とにかく美しくて、表情に釘付けになってしまいます。
森雅之のダメ男ぶりも物凄い。
本人はこの映画撮った後落ち込んだそうですが、まあ無理もありません。
まともな感性の男性が演じるのは、半端ないストレスだったことでしょう。
画面を見ながらストーリーに対して何か言うことがあまりない家人も、この森雅之のことは
「なんだ、こいつ!!」とか、「ふざけるな!!!」とか罵倒していました。
でも、寝ちゃいましたけど…。
森雅之は、若い頃は美男子の典型みたいな人だったそうで、このころもちょっと日本人離れした風貌ですよね。
ドストエフスキー原作の「白痴」を黒澤が映画化していましたが、ヒーローのムイシュキン公爵役を森雅之が演じていました。
このムイシュキン公爵も、愛があるけど力がない人で、もの凄い清らかな魂の持ち主なんだけど、どういうわけかこの人のせいで周囲は死屍累々というお話なんですよね…。
この「浮雲」のヒーローと、なぜかありようが似ているような気がします…。
この「浮雲」のヒーローも、ダメ男だけど、そんな悪い人ではなくて、でも決断力がなく、どんどん流されていく人なんですね。
そういう男がどれほど女にとって有害かということが、この映画を観ているとよくわかります。
それで、そういう男と別れるのがどれほど難しいかということも。
う~ん、大人な映画でした…。
他に考えないといけないことがあったのに、夢の中まで高峰秀子でいっぱいになってしまいました…。
2011年5月5日
てれすこ
お正月、色々ビデオを借りて見ました。
「駅前旅館」 「駅前金融」 「憑神」 「てれすこ」です。
「駅前旅館」は、駅前シリーズの第1回で、ちょっと文芸物っぽい味付け。
井上靖原作で、渋いです。
「駅前金融」は、金色夜叉のパロディで、馬鹿馬鹿しくって良かったですが、やっぱり今のところの駅前シリーズ最高峰は「駅前温泉」でしょうかね…。
「金色夜叉」をちゃんと読んでみたくなりました。
「今月今夜…」あたりしかよく知らなかったりしますが、実際はかなり面白いそうですよね。
「憑神」は、浅田次郎原作だそうで。まあ、悪くないんですが、インパクトに欠けるというか…。
貧乏神とか色々出てきて、主人公に祟るんですが、ちょっとその神様たちが普通に見えてしまって…。
もっと映像的にも脚本的にも凝れるはずだと思うんですが…。主人公も真面目すぎましたね…。
「てれすこ」は、今回観た4作品の中では一番秀逸でした!
落語の題材を組み合わせたような脚本で、よくある手法ですが、馬鹿馬鹿しさ度が高くて、大変満足でした。
時代劇は、このごろはうまく作るのが難しいんだな~というのが最近の感想ですが、頑張っていらっしゃる方も沢山おいでなのだなと。
まだ観ていらっしゃらない方は、「てれすこ」是非ご覧になって、「てれすこ」が一体何であるかをご確認いただくとよいかと思います。
大人の時代劇でしょうか…。落語を聞くように、安心して観られます。
最後に出た藤山直美が、全部さらって行った感もありますが…。
もう1本借りている「マリーアントワネット」は、私の趣味です。
これも観ておかなくては!…でも、家人に一緒に観るよう強制するのは可哀相なので、一人で観ようかな…。
アバター
そうそう、お正月休みに、機会があって「アバター」も観ました!
最新3D映像だそうで、眼鏡をかけて観ました。
確かに映像凄かったので、特に若い方にはオススメですね。
独特の映像と世界観なので、はまる方も多々いらっしゃると思います。
脚本は、キャメロンですからベタですが、映像のための脚本ですし、まあ、このくらいでわかりやすくていいのかもしれません。
IMAXシアターで3Dで観るのが超オススメだそうですが、そんなシアター、多分名古屋あたりにしかないですからねえ~。
でも、3Dで観られるのは公開されている間だけですから、名古屋まで足を運ぶのもいいのかもしれません。
可能なら私もそうしたかもしれません。しかし、眼鏡の上に3D眼鏡をかけて観たので、少々見づらく、ちょっと3D酔いもしましたね…。
春に公開されるティム・バートンの「アリス」も、3Dだそうで、これからこういうの主流になるんでしょうか…。
映像に凝る監督さんは、是非使ってみたいツールでしょうから、色々面白いものも出るのかもしれません。
しかし、作品の人工度がどんどん高くなるので、ついて行けない感を持つ方も沢山いらっしゃるでしょうね…。
まあ、キャメロンとかティム・バートンなどは、最初から人工度が高いので、それでいいのかもしれませんけれど。
2010年1月6日
喜劇駅前温泉
森繁久弥氏が亡くなりました。
私たちの世代ともなると、演劇界の重鎮らしい…というくらいの認識で、あまり馴染みのない方…と思っていたのですが、少し前、駅前シリーズの「駅前温泉」を見て、目から鱗がぼろぼろ落ちました。
森繁久弥先生、大俳優なんだ!!ということをちょこっとだけ理解したというか…。
喜劇駅前シリーズは、社長シリーズよりはマイナーですが、そのシリーズの中に、浜松駅を舞台にした「駅前弁当」というのがあって、それを家人と見たのが最初です。
昔の浜松界隈が映っていて、こんなだったんだ~と見ました。
ヒロインの未亡人のやっているお弁当やさんは、今も浜松にあるお弁当やさんの「自笑亭」がモデルというのは有名な話だそうです。
興味のある方は、ご覧になると懐かしいのではないでしょうか。
浜名湖のまわりを、バイク(の前身)でぶんぶん走るところとか、物凄く浜松らしいです。
しかし、物語そのものは、とりたてて普通…という感じでした。
でも、先日また家人が借りてきた「駅前温泉」を「またか~」と思いながら一緒に見たのですが、これが実に面白かった!!
さびれかけた温泉街の、主にどたばたなのですが、俳優陣が本当~~に上手い!!
昔の俳優さんたちのコメディの質って、今と全然レベルが違うという感じ。
もう、物凄く豊かで、見てるだけでワクワクしちゃう。
比べても意味無いほど、今の演劇やお笑いって、失われたものが多いんだな…と、ついつい思ってしまいました…。
すごく笑えるんだけど、やがて哀し、みたいな、なんともいえないほろりとした後味なんですよね…。
登場人物たちも、みんな馬鹿馬鹿しい人達なんですが、何か哀しいものを持っていて。映画自体のニュアンスもすごく複雑で、これでコメディなんだ…とびっくり。
駅前シリーズは他にも名作があるそうなので、時々覗いてみたいなと思っています。
社長シリーズも、まあ、そのうちに…。
しかし、目下の私の悩みは、映画の趣味がどんどんオヤジ臭くなっていくこと…。
なんだか、このごろ戦前とか、戦後間もなくの映画ばっかり見ているような…。
この上、社長シリーズなんか見ちゃったら、オヤジ化が更に進んでしまう…。
一応、ハリポタとかも見てるのに…。
2009年11月14日
次郎長三国志
先頃公開された中井貴一主演の「次郎長三国志」を借りて見ました。
このごろ、BSで放送していた昭和28年マキノ映画の「次郎長三国志」を時々見ていて、なかなか面白いので見たくなったのです。
マキノ映画の「次郎長三国志」は、広沢虎造の浪曲を元にした村上元三の小説を原作とした映画で、全部で9話あり、宿敵黒駒の勝蔵との対決を控えた最大の見せ場、荒神山の導入で、尻切れトンボに終わっています。
当然続きを撮るつもりだったのだと思いますが、事情があったのでしょう。
1話1話、次郎長の売り出しのころから、色んな子分がやってくるくだり、そして有名な石松代参まで、結構丁寧に描かれていて、親分子分だけで完結した幸せな世界が展開されて、見ていて実にバカバカしいんですが、なんだか幸せな映画です。
この映画、公開のテンポもやたらに速く、かなりのやっつけ仕事で作られたということですから、全体にキャラクターの破綻もなく面白く見せてくれるあたり、マキノ監督は相当な天才だったのだと思います。
次郎長の役を、小堀明男さんという、私の知らない役者さんがやっていますが、なんだかぬぼーっとしていて、あんまり演技もうまくないように見えます。
でも、この昼行灯みたいな次郎長が、決める時は決めてくれて、実になんだか親分!という感じなのです。
そして、全体として非常にのほほんとしているというか、のどかで明るい。
今ではあり得ない親分子分の間柄も、なんだか懐かしいような感じです。
そして、マキノ監督の甥っ子である津川雅彦が、マキノ雅彦と名乗って撮ったのが、中井貴一主演の「次郎長三国志」です。
う~~ん、すごく頑張っているんですが、ちょっと思い入れが強すぎて、詰め込みすぎた感じでしょうか…。
これって、次郎長を知らない世代が見て、どうなんだろう…意味わかるんだろうかと、ちょっと心配になるところもあったり…。
次郎長の妻お蝶が死ぬまでをメインにしてある感じですが、見る人は次郎長とお蝶のことより、子分との関係が見たいんじゃないかな…と思うんですが…。
そして、石松代参のエピソードまでは行き着けなかったので、恐らく続編を作りたいと思っていらっしゃるんでしょうね。
石松代参と、荒神山まで…。
なにしろ、ここらあたりがメインですから…。
これは大変だ…。
そして、役者さんたちが、皆さん40代から60代。これは仕方がないんでしょうね…。
テレビのどの時代劇見ても、若い役者さんは滅多に見ませんし、出ていらしてもなんだか存在感がなかったり、所作がイマイチだったりして…。
でも、お蝶と結婚した時の次郎長が、中井貴一では、あまりにも年取りすぎ!!
お蝶も鈴木京香ではいくらなんでも…。
カムイとか、他にも色々時代劇が映画化されていますけれど、あれはアクション主体で、なんかこう、いわゆる時代劇とは別物に見えますもんね~…。
こっちには若い人達がぞろぞろ出てるんですけどね~…。
中井貴一、好きでも嫌いでもない役者さんですが、ちょっと次郎長やるにしては演技が悲壮すぎるというか、重すぎるというか…。
全体として、もっと痛快な部分を出してほしかったなあと。
むしろ、ライバル黒駒の勝蔵をやっていた佐藤浩一が次郎長で、勝蔵が中井貴一ならもうちょっとよかったんじゃあ?…などと思ったりもしました…。
中井貴一は、あの融通きかない感じが、悪役の方が生かされると思うんですけれどね~…。
しかし、今回の津川雅彦さんの次郎長、期待が大きすぎたせいか、ちょっとショックを受けました。
というのも、この映画の出来そのものよりも、もうこういう映画を撮ること自体が困難を極めるんだな、ということがあまりにもあからさまに感じられてしまったからです…。
監督もいない、役者もいない、殺陣もなんだか微妙…。
今後次郎長を再現して観客を唸らせることができるとしたら、もうマンガの世界くらいしかないのかもしれないと思うと、たいした時代劇ファンでもない私でも、なんだか愕然としてくるものがあります…。
2009年9月16日
深くて暗い穴
諸事情から、なぜか「スウィーニー・トッド」を初日に見てしまいました!
話題の映画を初日に・・・・!
そ、それほど望んでいたわけでもないのに、どういうわけか・・・。・・・。
こんなことは滅多にないことです!!
これからもあまりないでしょう。
なので、記念に書いておきます!
ここから先はネタバレを含んでいます。
とはいえ、原作は有名なミュージカルなので、物語としては今更ネタバレでもないでしょう・・・という感じもいたします。
まっさらな状態で映画をご覧になりたい方は、読まずにおかれる方がよいかもしれません。
元のミュージカルをちゃんと知らないし、大筋以外の予備知識も殆どなかったので、最後までひょえ~!ぎょえ~!という感じでした。
監督が監督なので、さすがに隅からすみまで楽しめましたけれど、ネタがネタなので、やっぱりコワかったです。
もちろん、お子様には見せられない映画ですね・・・。
それに、ここまでメンタル的にも救いようのない話だったなんて、し、知らなかったです・・・。
でも、どういうわけか、どこかコミカルな部分があって、見たあとは不思議~な感じ・・・。
これって、この監督の特質なのかもしれません。
それとも、デップのキャラかな~?
一緒に見ていた家人は、
「ひえ~!実に良くできている映画だけど、絶対夢に見るぜ、これ・・・。」
と、うめいていました。
私もちょっと終わった後お祓いでもしたい感じがしました~。
でもよかった!!とっても良かった!!
特にヘレナ・ボナム・カーター最高!!
昔からすごく好きな女優さんでしたが、ほんと、病的でうっとりします~~!
可愛くて~~~!!
大好きなアラン・リックマンも仇役で出てきて、知らなかったので嬉しかった~~!
そして、デップ。
実によかったです。
でも、見終わったあと、思うにほんとに個性のない殺人者の役だったなと。
というか、それがこの物語の優れているところなのかもしれませんが、人間としての個性も出てこないほど復讐に魂を奪われている男が、運命に報復される話・・・・とでもいうんでしょうか。
妻子を奪われたトッドは、復讐に燃えるのだけど、どういうわけか我が子のことにはあまりにも無関心。
それなのにその子供は助かって、あれほど執着していた妻は死んでしまうという巡り合わせになるのは、復讐というものの本質を看破しているな、とも思えて・・・。
最後に大事な人まで手にかけてしまうこの男は、ある意味で妻子のための復讐ではなくて、もはや自分のための復讐なのですよね。
利己的な復讐。
いや、この人、最初から妻子のために復讐する、とは一言も言っていないんですね。
ここが、この話の非常に大きなポイントだと思うのです。
そして、運命から報復されてしまう。
復讐する権利があると思ってやっていたことなのに、どうしてこういうことになるんだ、という。
復讐とは、つまりそういうことなのだ、と言われているような気がします。
そういう、なんというか、人間の深くて暗い穴をみせられたような、恐ろしい話ではあります。
ある意味人間離れした、こんな暗い穴そのものみたいな役を、ほんとにこの役者さんはうまく演じるな~と思いました。
しかも、なんだか妙に可愛げがあって。
逆に、この男に人間性があったら、それこそほんとに悲惨そのもののお話になって、とても物語として耐えられない領域に入ってしまうかも・・・。
そういう、ぎりぎりの線を、よくこういう演技と映像にしたなあ~と。
監督も役者さんも、今更言うまでもないですが、さすがにすごい力量だなと感じました。
恐ろしい穴をご覧になりたい方は、是非!
でも、血がきらいな方はご用心。
マジで気持ち悪くなるかもしれません・・・。
この監督の映像美は折り紙付きですが、血にもこだわりがあって、ねっとりしています。
ねっとり。
ううう・・・。
さてさて、映画館から出て、
「あ~、面白かったね!」
と家人を振り返ると、なにやら上着に赤いものがべっとりと・・・。
「な、なにこれ?!」
「うわ~~~ッッ!!!!」
血糊べっとりのお話を見たあとなので、ぎょえ~~~ッと思いましたが、よく見ると透明がかったオレンジ色・・・。
家人の食べたナチョスのサルサソースでした。
「いや~~~~~~!!やめて~~~~!!やめてよ~~~~!!こんなものつけて~~~!洗濯が困るじゃないのお~~~~!!!」
と、二人して慌てて拭き取りました・・・。
うううう・・・。
おいでおいで
家人は前からちあきなおみのファンですが、私はそれほどでもありません。
このごろ、何度かちあきなおみの特集番組が放送され、家人は永久保存版にして、何度も見ています。
なんとなく家人に付き合って見ておりましたら、ちあきなおみ確かに凄い。
兎に角怖い!すごい迫力。これって、歌なの?!…とか色々思いが去来しまして…。
とっくにご存知の方は、特に感動はないのかもしれませんが、私はちあきなおみの「喝采」くらいしか知らなかったので、大ショックを受けました。
それで、ご存じない方には、是非見てショックを受けていただきたいなと。
台詞入りですが、何を言っているのかよくわからないので余計に怖い…。
でも、こっちの方がより迫力ありますかね~。
そして、「朝日楼」
これは舞台で歌われたものらしいのですが、残っている映像には舞台のものはちょっと探せませんでした。
その舞台が実に逸品だったそうです。これ以上に凄かったなんて、一体どんななんだと思います。
最後に薄ら笑いを浮かべるところが、女郎になりきっていますよね…。怖いけど何度も見てしまっています…。
2009年11月24日