遠州には文化コンプレックスがある?他県との違い
文化コンプレックス
遠州の人たちには、一種の文化的コンプレックスがあるように感じられます。
とうとう政令指定都市にもなったことですし、一夜にして(は誇張としても)テクノポリスのようなものも作ってしまうバイタリティは満々ですが、こと文化という面に関しては、多少苦手意識があるように感じます。
私のように西国から来た人などの中には、
「あまりにも文化的なものがないので驚いた!」
という人もいます。
まあ、そこまで言うと酷かな~と思いますが、なんというか、藩主が贅を尽くして造った庭園とか、藩主が好んだ菓子屋とか、そういった話がほとんど聞かれません。
浜松は家康ゆかりの城下町ですが、浜松城はなんと「出世城」と呼ばれています。
どうしてかというと、江戸時代、家康ゆかりの都市だった浜松は、幕府にとって比較的前途有望な人が殿様として出張してきていたらしいのです。
どんどん出世して配置換えされていく人たちなので、浜松には長居せず、というか、城には住まず、しかも成績を上げなくてはならないので、結構年貢なんかもエグく取り立てたようなのですね・・・。
一揆や打ち壊しも多くあったそうなのです。
なので、浜松人は、上を頼りにしないそうです。
「自主独立」なわけなんです。
藩主が長居しないんですから、文化振興なんてないですもんね~。
遠州人のアイデンティティ
根っからの遠州人である家人に聞いてみると、遠州人は、やっぱり自分たちのところは東国だと思っているようなんです。
フォッサマグナより西だろうと、NTT西日本だろうと、遠州は東国に位置している、と思っているそうです。
家人いわく
「客観的にどうか、ということは関係ない。我々はそう思っている。・・・と思う、たぶん・・・。」
それから、名古屋とは厳しく一線を画しているそうです。
なんか対抗心でもあるんでしょうかね~。
昔、結婚式の相談をしていたころ、
「名古屋の結婚式って、派手だっていう評判だけど、浜松の方は大丈夫なの?あんまり派手だと困るけど・・・」
と言ったら
「おれらは名古屋とは全然違~う引き出物に10品目も包んだりしないし、砂糖を10キロも持たせたりしない」
と激しく主張していました。
さ、砂糖を10キロ?
家人が招待された名古屋の結婚式では、“それほど豪華ではない”式でも、引き出物は10点は最低入っていて、砂糖も10キロくらい持たされる。とても持って帰れないほどかさばるし重いので、どの客も式場から宅急便で送るそうです・・・。
な、名古屋・・・。さすが徹底しています・・・・。
今でも家人は、名古屋のことを持ち出すと、必ず「おれらは名古屋とは違うんだ!」と、なんとなく口調もキッパリ気味になります。
・・・。名古屋に恨みでもあるんでしょうか・・・・?
家人「しかし、静岡とも違う。全然違う。」
私「じゃあ、どこと似ているの?」
家人「どこかと一緒だとは思いたくないんだな。俺らはおれら。独自のものでありたいと遠州人は思っているはずだ。どこからも、自由でありたいんだ。自主独立だ。」
そうですか、なるほど~。
結婚式の仲人をしてくださった静岡在住の方がおっしゃるには、
「静岡県は三つに分かれる。遠州と駿河と伊豆だ。
この三人が江戸で路銀がすっかり無くなったとする。どうやって路銀を調達するかというと、駿河の人間は乞食をやる。伊豆の人間は詐欺をやる。遠州人は盗賊になる。・・・と、言われている。三つの地方の特性をよく表しているだろう~~。」
と、盗賊ですか・・。・・・。
浜松喫茶店事情
浜松には喫茶店が少ないという話を以前したことがあったような気がします。
たしかに、どこか喫茶店に入りたいと思うときに、なかなかないのが実情です。
よく家人と二人、
「まったりしたいね。」
とか言いながら、結局町の中をうろうろセカセカ歩き回って疲れてしまうという、一体何がしたいの的な休日を過ごしがちなのですが、そういう時、ちょっとお茶を飲みたいと思っても、なかなかよい喫茶店が見つからないのです。
コーヒーなんて、家で飲んでもいいのですが、やっぱり非日常の空間に行って、少しは美味しいものをいただかないと、いまいちリフレッシュしたという気持ちになれません。
有名店はいくつかあるのですが、ちょっと遠かったり、車を停められなかったり、コーヒーは美味しいけど狭くて落ち着けなかったりと、どこも微妙です・・・。
最近は、「コメダ珈琲店」という愛知県が地盤のフランチャイズ店が浜松にも進出してきていて、結構繁盛しているようなのですが、なんというか、コーヒーの味が好みではない点と、雰囲気がファミリーレストランっぽいのとで、いまひとつなじみの店にしたいとも思えず・・・。
でも、あそこの店は愛知だけあって、コーヒーを頼むと豆菓子がついてくるという愛知特有のサービスをしてくれます。
そして、広い駐車場も魅力のひとつ。
結構人が入っているらしいのは、そういう理由もあってかな~と思います。
しかし私たちは、喫茶店を求めて車で市内を走り回った挙げ句、「コメダ」には行きたくないばっかりに結局どこにも行けず、家でコーヒー・・・という事態もしょっちゅうです。
聞くところによると、豊橋には喫茶店が沢山あるとのこと
でも、あそこは浜名湖を隔てた愛知の文化圏。
家人によると、浜松は愛知とは文化的に一線を画しているのだそうです。
「浜松は愛知の影響はあんまりないんだ。
たとえそう見えても、そうじゃないんだ。むしろ東指向なんだ、浜松は。
断じて名古屋文化圏ではないんだ。
というか、独自の文化圏なんだ。」
ということなんだそうです。
生粋に近い浜松人の家人の、「名古屋とは一線を画する」発言は、大変興味深いところで、今後のテーマですね。
結局あんまりコーヒーを飲む習慣が浜松の人にはないのかもしれませんね~。
仕事柄、背広ネクタイの人が少ないので、喫茶の習慣がないのだ、という意見も聞いたことがありますが、どうなんでしょうか。
浜松の人は、やっぱりコーヒーよりは仕事の後に餃子なのかなあ~。
ふるさとをどれだけ愛しているか
かなり前ですが、「自分のふるさとをどれだけ愛しているか」という統計の報告を眼にしたことがありました。
不思議なことに、東京から離れている方が、故郷を愛する率が上がっていて、東京に近いところは、自分の故郷を嫌う傾向が強いのです。
たとえば、栃木県や埼玉県など、関東周辺の県は、自分の県が嫌いなのです。遠く離れた北海道とか沖縄、中国地方、東北地方などは愛県心が高いというわけです。
どこの生まれの人も、東京にはコンプレックスを抱いていると思いますが、私の住んでいた中国地方よりも、ここ浜松は東京コンプレックスが強いように感じます。
まず浜松の人は、浜松を「イナカ」と言います。
特にイナカとは言えない環境じゃないかと思うのです。まあこれは、文化的コンプレックスも影響しているとはおもうのですが・・・。
私、名古屋文化って、とっても面白いと思っているんですが、家人はまったく興味なし!!
・・・・・・・。不思議です。
桜餅と道明寺
「桜餅と道明寺」のことですが、餡をつぶつぶのある薄桃色の餅でくるんで、桜の葉で巻いたものを、岡山に住んでいる時私は「桜餅」だと認識しました。
関西あたりはその形態のものが「桜餅」と呼ばれているようなのです。
岡山に住む前に東京にいたこともあった私は、そのつぶつぶの桜餅を見て、
「桜餅って、こんなだっけ・・・・??」
と、ふと疑念が生じたのですが、そのことはそのまま過ぎました。
ところが、また東京で暮らすことになった時、東京の友人たちと「桜餅」の話題になりました。
「東京の桜餅は、つぶつぶの餅ではなくて、もっとつるんとしたクレープ様のものにくるまれている。」と。
ええ~~~
じゃあ、関西で言う「桜餅」は、なんなのと訊くと、
「それは道明寺だ」
と言うのです。
そんなもの、聞いたこともありません
変な名前だし
今浜松に住んでいて、どうも桜餅はつるつるで、道明寺も存在しているようなので、桜餅文化圏は東京寄りの模様です。
で、色々調べてみると、どうも浜松と名古屋の間に、その境界線があるらしいのです
でも、浜松と名古屋の間っていっても、結構広いですよね・・・。
う~~ん・・・。
やっぱり、豊橋あたりがくさいのでしょうか・・・。
ここらあたりは、様々な文化の境界線が存在しているので、きっと近くにあると思うのですが・・・。
ちなみに、桜餅は東寄りだけど、NTTは「西日本」なんですよね、この辺・・・。
西から来た私には、こんだけ離れていて、なんで西日本なんだ!!と、これも驚きの種です
2017年8月18日
世界のスタンダード
浜松に来て、非常に困ったことがあります
今までと缶切りが全然違うのです!
それまで私が使ったことのある缶切りは、画像の右側にある形で、西国で買ったものか、東京で買ったものなのですが、左側にある浜松の缶切りは、それまでのものと全く逆の切り方をするんです
前に向かって切っていく今までの缶切りと違って、手前に引いていくタイプの缶切りで、そもそも缶切りって無意識に使っていくものなのに、ふと気付くと手が反対に動いて空を切り、
「手前に引くのよ!さあ、頑張るのよ、私しっかり、手前に引くのよ」
とか念じなければ使えません。
半分切っただけで、もうへとへとです・・・
最初なんて、最後まで切る気力がなく、半分までで缶の蓋を力まかせにへし折ってしまい、中身を引っ張り出しました。
思わず、あまりの使いにくさへの口惜し涙と、やっと缶を開けられたことへのうれし涙が出てきたくらいです
「缶切りって、これしかないの?!」
と、べそをかきながら家人に聞くと、
「そうだよ。それしかないよ。」
「じゃあ、か、缶切り買ってきてもいい?」
と、ひとり缶切りを買いに行ったのですが、100円ショップでも、スーパーでも、見かけるのは浜松式缶切りばっかり・・・。
しばらくは悪態をつきながら缶をあけておりました・・・。
しかし、やっと、やっと、最近、近くに改装オープンした100円ショップで、西国式(?)缶切りを見つけ、意気揚々と買って帰りました
そこで、今回浜松式缶切りの使いにくさについて、ブログに書こうとしたら、家人曰く
「やめとけよ~~!恥かくで~~この缶切りは、俺の子供の頃からあるんだから、世界のスタンダードに決まっとる
実家と浜松のちょこっとしたとこだけ見てこんなの書いたら、恥かくに決まっとるから、やめとけ~~~~」
ですって。
「世界のスタンダード」とは、大きく出ましたね
これまであんまり缶切りに気をつけてなかったので、あてになる記憶もないので、ネットでちょこっと調べてみたら、どうもやっぱり載っているのは右側のタイプばっかりで、「日本人はこれに慣れている」とかいう記述もありました。
他にはヘンケルの缶切りで、浜松式と似たようなタイプがありました。
すると、やっぱり浜松式は、日本のスタンダードではなく、「世界のスタンダード」なのでしょうか
(いや、浜松式ってわけではないと思いますが・・・)
単に、私が缶切りの世界を知らなすぎるだけなのかな~~・・・。
だけど、だけど、浜松式はあまりに使いにくすぎます~~~~
2017年8月22日
東西のお好み焼き
さて、家でお好み焼きを食べたので、ふと思い出してお好み焼きのことを書きます。
実は遠州のお好み焼きについては、機会を待って書きたいなと思っていましたが、このごろは外にお好み焼きを食べに行く機会がありません。
仕方がないので、ちょっとソースのことから・・・。
画像は浜松あたりで売られている「トリイ」のソースです。
しゃばしゃばしたソースなのですが、スパイシーでかなり美味しいと私は思っています。
うちでは大手の「カ*メ」をやめて、もっぱらこれです。
でも本音を言うと、ちょっと高いと思います!
トリイの会社は市内の中心部近くにありますので、浜松のものだと思うのですが、私、他のところでも「トリイソース」のことを見たり聞いたりしたことがあるような気もするのですけれど・・・気のせいかなあ・・・。
最近、遠州のお好み焼きが名物として取り沙汰されるようになりました。
浜松餃子と同じような感じですね。
たしかに、以前一度食べた遠州のお好み焼きはちょっと変わっています。
ぺらぺらに薄くて、しゃばしゃばのソースがかかっていて、なんとタクアンが中に入っているのです!!
なんだかちょっと、クレープっぽい感じというか・・・。・・・。
いや、ちょっと違うか・・・。・・・。
遠州では、駄菓子屋なるものがあちこちにあって、お菓子も売っているけれど、やきそばとか、お好み焼きなども売っていて、子供達はおやつにそれを食べるのですね。
大人のたまり場になっていることもあるのだとか・・・。
そこで食べさせるお好み焼きが、この軽い遠州風のものなのです。
トリイから最近、お好み焼き用のソースが出たので、使ってみましたが、駄菓子屋をよく知る義弟が、
「あ、これは駄菓子屋の味だ!!」
と絶賛していました。実際、これを使っているのでしょうね~。
ちなみに、我が家のお好み焼きは、東西まぜこぜのものに徐々に進化しました。
焼き方は広島風で、キャベツやもやしを薄い生地ではさんで蒸し焼きに。
勿論、広島っぽくやきそばを入れますが、やきそばは私が個人的に気に入っている富士宮やきそばの麺を使います。
麺が固いので、面白い食感になります。
広島風か関西風の揚げ玉もしっかり入れ、遠州風の鰹粉をかけ、最後はトリイのしゃばしゃばソースをかけていただきます。
ちょっと変なものだと思うのですが、なかなか好評です。
昔はキャベツなどを生地に入れて焼く関西風のお好み焼きが好きだったのですが、あれを家でやろうとすると、生地がべちょべちょになったり、固くなったり、思ったように美味しくできないのですよね~。
広島風より焼くのが難しいと思うこのごろです。
今度は遠州風に、タクアンを細かく切って入れてみようと思っています。
タクアンが入っていると、ちょっと甘みが出て、なかなか美味しいのですよ!!
でも、お好み焼きの材料を買うときに、いつもタクアンを忘れてしまうので、なかなか果たせません・・・!
2017年8月22日